「人形が導いてくれる心の扉 〜笑顔が広がる不思議な瞬間〜」

私が長年続けてきた「人形ボードヴィル」の活動には、いつも不思議な力を感じます。
舞台で人形を動かしていると、まるで導かれるように、人形たちが自分の行きたい方向へ進んでいくのです。
私が動かしているはずなのに、逆に人形が私を導いてくれているような感覚――これは何度体験しても不思議で、そして尊い瞬間です。

印象的な出来事がありました。
終演後、主催者の先生から「実はあの子、普段は内にこもってしまい、なかなか心を開けないんです」と打ち明けられました。
舞台の最中、その子が人形の動きに見入って、少しずつ表情が緩んでいくのを私は感じていました。
人形の世界は、言葉以上に子どもの心に届くのかもしれません。

近年、心の内に不安を抱えた子どもたちが増えていると耳にします。
学校や家庭でのさまざまな事情により、子どもたちは自分の気持ちをうまく表現できず、心を閉ざしてしまうことがあります。
大人から見れば小さな悩みに思えることでも、子どもにとっては大きな重荷になるのです。

だからこそ、人形劇の持つ「癒しの力」を信じています。
人形は人間のように説得したり押し付けたりしません。
ただ、無言でそこにいて、笑ったり驚いたり、時に失敗したりする姿を見せてくれるだけ。
だからこそ子どもたちは安心して、自分の心を重ねられるのではないでしょうか。

私はこれまで2,000回以上の公演を重ねてきましたが、その度に「舞台の上で起こる奇跡」を見てきました。
笑顔がこぼれ、心が解き放たれる瞬間。人形は単なる道具ではなく、「心と心をつなぐ存在」なのだと思います。

これからも、子どもたちの心に寄り添い、少しでも元気や安心を届けられるよう活動を続けたいと思います。
大切なのは「笑顔の連鎖」。
子どもが笑えば、親も安心し、家族も和みます。
笑顔は周りに広がっていくエネルギーです。
私の役目は、人形を通してその笑顔の種をまくことだと感じています。

人形の動きに導かれるように、私自身もまた多くの気づきをいただいています。
これからも、その不思議で温かな導きに従って、全国に「笑顔の宅配便」を届けていきたいです。

読者へのアドバイス

子どもの笑顔を引き出す方法は、必ずしも特別なものではありません。
絵本を一緒に読むこと、何気ない会話をすること、ただそばにいてあげることも立派な心のケアです。
大切なのは「安心して自分を出せる時間」を作ること。
大人が笑顔でいれば、その笑顔は子どもの心にも必ず届きます。
今日もどうか、あなたの笑顔を誰かと分かち合ってみてください。

―――――――――――――――――――――

#人形劇 #笑顔の宅配便 #子どもの心 #癒し #教育現場 #笑顔の力 #人形の不思議 #子育て支援 #心のケア #子どもと笑顔